「バンパーを壁に擦ってしまった‥これくらいの傷、すぐ直せるのでは?」
そう思われる方は多いのですが、実はバンパーの擦り傷をきれいに仕上げるには、いくつもの工程と日数が必要です。
この記事では、実際にお預かりしたフロントバンパーの擦り傷修理を例に、修理の全工程を写真付きで解説します。
まずは損傷の確認|バンパーだけで済んでいるかが重要

今回お預かりしたのは、ブロック塀に擦ってできたフロントバンパーの傷です。まあよくある擦り傷ですね。

ここで重要なのが、傷がバンパーだけで収まっているかどうかです。
今回はバンパーのみの損傷で、隣のフェンダー(タイヤの上の金属パネル)には傷が及んでいませんでした。これはかなりラッキーです。フェンダーにも傷があると修理代がかなり変わってきます。
ご自身で確認するときは、バンパーの端、つまりフェンダーとの境目あたりに傷や塗装の剥がれがないか見てみてください。判断が難しい場合は、お気軽に写真を送ってご相談ください。
お客様このくらいの傷は一日で修理できますよね?



いえ、色々とやらなくてはいけないので、そう簡単にはできないのです‥
実際にこのやり取り、非常に多いです。見た目が「ただの擦り傷」だと、ちょちょっと塗ればすぐ直るのでは?と思われがちです。
しかし、きれいに修理するには塗装よりもその前の下処理にかなりの手間と時間が掛かります。ここを省略すると、仕上がりにムラが出たり、数ヶ月後に塗装が剥がれたりする原因になります。
それでは、実際の修理工程を順番に見ていきましょう。
修理工程を写真で解説
工程① バンパーの取り外し


まずはフロントバンパーを車体から取り外します。いつも思うのですが、フロントバンパーを外した車って、何かマヌケ顔になりますね(笑)。
「傷の部分だけ塗ればいいのに、なぜわざわざ外すの?」と思われるかもしれません。
バンパーを車体に付けたまま塗装すると、ヘッドライトやフェンダーに塗料の飛沫(ミスト)が付着してしまいます。また、表面は擦り傷に見えても、裏側にヒビや変形が起きていることもあります。取り外すことで損傷の全体像を正確に確認できるのです。
工程② 傷の研磨とパテ処理


ここからが最も時間の掛かる工程です。
まず傷の部分をサンドペーパーで研磨し、傷を滑らかにしていきます。次に、表面の凹凸を埋めるためにパテ(充填剤)を塗ります。パテが乾いたら再び削って面を整え、まだ凹凸があれば再度パテを塗って削る‥この工程を納得のいく仕上がりになるまで何度も繰り返します。
手で触って段差を感じないのはもちろん、プロの目で見て歪みがないレベルまで仕上げるのが目標です。ここで妥協すると、塗装後に「なんとなく歪んで見える」仕上がりになってしまいます。
工程③ 下地処理(サーフェイサー塗布)


パテで面を整えたら、サーフェイサーという下塗り剤を塗装します。表面の小キズを埋めて滑らかにしたり、上塗りの塗料の吸い込みを防ぐなどの目的があります。
この工程を省くと、塗装が早期に剥がれる原因になります。
上の写真は下処理が終わって塗装前の段階です。傷の段差がなくなり、滑らかにツルンとなっています。
ここまでの下処理に数日掛けた上で、ようやく塗装に入ります。車のボディカラーに合わせて調色した塗料を塗装し、最後にクリア塗装で艶と保護層を加えます。
塗装自体は一日で終わりますが、ここに至るまでの下処理に数日掛かります。 これが「バンパーの擦り傷修理はすぐ終わる」と思われがちな理由で、実際にはそう簡単にはいかないのです。


工程④ 仕上げ・取り付け
塗装が十分に乾燥したら、表面を磨いて仕上げ、バンパーを車体に取り付けて完了です。
ちなみに、塗装は触れるくらいには数時間で乾きますが、塗膜の内部まで完全に硬化するには数週間掛かると言われています。納車後しばらくは塗装面がデリケートな状態ですので、修理箇所のワックスがけやコンパウンド磨きは1ヶ月ほど控えていただくのがおすすめです。
修理完了


きれいなフロントバンパーに生まれ変わりました♪ 傷があったことが分からないレベルです。
修理期間の目安
バンパーの擦り傷修理に掛かる期間は、傷の程度にもよりますが、1〜2週間程度です。
内訳としては、下処理に2〜4日、塗装に1日、乾燥・仕上げに1日程度。フェンダーなど他のパーツにも傷が及んでいる場合はさらに日数が掛かります。
なお、当店では修理期間中の代車を無料でお貸ししていますので、通勤やお買い物に困ることはありませんのでご安心ください。
修理費用について
バンパーの擦り傷修理の費用は、傷の大きさ・深さ・場所によって異なります。当店ではお車の傷の写真をお送りいただき、それをもとにお見積もりをお出ししています。
LINEまたはメールで傷の写真を送っていただければ、おおよその修理費用をお伝えできます。「まだ依頼するか決めていないけど‥」という段階でもお気軽にどうぞ。


まとめ
フロントバンパーの擦り傷は、見た目以上に修理の手間が掛かります。きれいに仕上げるためには塗装よりも下処理が重要で、そこに数日の時間を要します。
バンパーだけの損傷かフェンダーまで及んでいるかで費用も期間も変わりますので、まずはお気軽に写真を送ってご相談ください。

