一部の車種では、ダッシュボードにあるエアバッグの開口部が割れることがあります。これは、交通事故時にエアバッグが正しく展開するために、あらかじめ設けられた切れ目が原因です。
この切れ目は、膨張や変形、劣化などによって自然に割れや亀裂が出てしまうことがあります。
ご相談内容:エアバッグの開口部の割れを修理してください
エアバッグの開口部の割れや裂けは、外車ではフィアット・アバルトやアルファロメオ・ジュリエッタ、国産車ではRX-8やエルグランドなどで見られます。
お客様からは、この割れをリペアしてほしいとのご相談もいただいていますが、ダイ・ケンオートサービスではこのリペアはお断りしています。
エアバッグの開口部の割れのリペアをお断りする理由
エアバッグは、交通事故時に人体を保護する重要な装置です。
エアバッグの開口部を修理(接着など)することで、エアバッグが適切に展開されなくなる可能性がないとは言えません。ですのでこのような修理はお断りしています。
また、訴訟リスクも考慮する必要があります。エアバッグが適切に展開されず、大けがや死亡事故が発生した場合、修理を行った弊社の責任が問われる可能性もあります。
以上の理由から、エアバッグの開口部の割れの修理はお断りしています。
ご依頼主が「リペアの危険やリスクを受け入れる」と言われた場合もお断りしています
リペアすることによる危険やリスクを説明しても、「それでも修理してほしい」との要望がある場合があります。やはりそれでもリペアはお断りしています。
例えば、リペアをされた車が後日、下取りに出される場合を考えてみましょう。その車には、エアバッグが適切に展開されない可能性があるという事実が知られていないかもしれません。そして何も知らない第三者の方が購入されて乗ることになります。
もしも何か問題が発生した場合、責任の所在が明確になりません。修理を行った弊社、下取りに出したお客様、中古車販売店など、誰が責任を負うべきかが問題となる可能性があります。
以上の理由から、お客様から「リスクがあっても修理してほしい」との要望があっても、リペアをお断りしています。
割れた場合の対処方法は?
エアバッグの開口部が割れてしまった場合は、どうすれば良いのでしょうか?これはダッシュボードごと交換するしか方法がないでしょう。
中にはこの割れを隠すために、芳香剤などを割れ部分に貼り付けている方もいます。しかしこれは交通事故時のエアバッグが開く時に、芳香剤が飛んできて大怪我に繋がる可能性があります。絶対にやめるようにしましょう。
まとめ
修理のリスクを説明せずに修理を行うことは不誠実だと考えてますし、万が一の事態に対して弊社では責任を負うことはできません。
見た目が綺麗になっても、交通事故での怪我や死亡のリスクが上がるのであれば本末転倒です。
修理を受けることで弊社の売り上げにはなりますが、それをお断りするのはお客様の安全と、様々なリスクの発生が理由です。ご理解いただければ幸いです。