エクストレイルのシートの剥がれはプロによる早期リペアがおすすめ - ダイ・ケンオートサービス

今回は、エクストレイルのシートのリペアのご紹介です。

実は、エクストレイルの合皮シートは他の車とは少し違った素材になっています。そのため、使っているうちに独特の劣化が起こることがあります。

エクストレイルの合皮シートの傷み方の特徴

今回のご依頼のシートは、かなり広範囲に剥がれが出ていました。

エクストレイルの合皮シートは、一般的な合皮シートとは作りが若干異なります。具体的には、布生地の上にゴム質のような表皮が貼られているような構造になっています。

例えば、普通の合皮シートだと表面に細かいひび割れが出て、そこから破れが発生する事が多いのですが、エクストレイルの場合は表皮が捲れるように剥がれていくことが多いようです。

指で押してみると、シボ模様に沿ってひび割れているのが確認できます。

シートの剥がれはいきなり発生するのではなく、劣化は徐々に進行します。

初期段階：小さなひび割れの発生
乗り降りの際の擦れや、シートの伸び縮みによって、表面に小さなひび割れが発生します。この段階では、見た目の変化はほとんどなく、気づきにくいかもしれません。グッと押し込むとひび割れが確認できます。
中期段階：ひび割れの拡大と表皮の浮き
初期のひび割れが徐々に大きくなり、表皮が少し浮いたりめくれてきます。
後期段階：表皮の剥がれ
浮きやめくれがさらに進行し、表皮が剥がれ始めます。剥がれがはどんどん広がっていきます。

エクストレイルの合皮シートの剥がれや劣化が進行してしまってもリペアは可能です。リペアの修復工程について簡単にご紹介します。

クリーニング
まず、シートのリペア箇所を丁寧にクリーニングして汚れを除去します。この段階で、シートの状態を詳細に確認し、最適なリペア方法を決定します。
下地処理
剥がれた部分や周辺の損傷した箇所の下地処理を行います。この工程が重要で、後の仕上がりに大きく影響します。入念な下処理を行うことで、表皮を効果的に再構築することができます。
塗料の調色
専用の特殊な塗料で調色をし、できるだけ違和感が出ないように元の色に合わせます。
仕上げ塗装
下処理が終わったシートに塗装を施します。この際、シボ模様（表面の凹凸模様）も可能な限り再現します。

リペアを行うことで、シートの見た目が大幅に改善され、快適な乗り心地を取り戻すことができます。

広い範囲の剥がれでしたのでなかなか大変でした。シボ模様もある程度再現しましたが、完全に元と同じにはなりません。

エクストレイルの合皮シートのリペアには一定の限界もあります。ここでは、リペアによって得られる効果と、その限界について説明します。

シートリペアには、見た目だけでなく、機能性や快適性も向上させる効果があります。

外観の大幅な改善
リペア後は、剥がれや亀裂が目立たなくなり、シートの見た目が格段に良くなります。広範囲で剥がれていた部分も、ほぼ違和感なく修復することができました。
触り心地の回復
剥がれていた部分は滑らかな表面に戻り、座った時の違和感がなくなります。これにより、快適な乗り心地が復活します。
劣化の進行抑制
リペア時に確認できたひび割れ箇所も補修するため、将来的な剥がれの進行を抑える効果があります。早期の対処で、シートの寿命を延ばすことができます。

リペアはシートの状態を大幅に改善しますが、技術的な限界も存在します。以下をご理解いただいた上でのご検討をお願いいたします。

完全な再現の難しさ
シボ模様（表面の凹凸模様）の再現は行いますが、元の状態と全く同じにすることは技術的に難しいです。パッと見た感じでは問題がない程度には仕上げますが、よくよく見ると、僅かな模様の違いは分かります。
色味の微妙な差
元の色に近づけるよう最善を尽くしますが、経年変化による色あせなどにより、完全に同じ色味にならないことがあります。
耐久性と再発の可能性
リペア後の耐久性は使用状況や環境によって変わります。丁寧な取り扱いで長持ちしますが、過度の摩擦や負荷により再劣化の可能性があります。特にリペア箇所の周辺など、もともと弱くなっていた部分から新たな劣化が始まることがあるため、絶対に再発しないという保証はできません。