車のハンドルは運転時に必ず触りますし、目に付くパーツです。そんなハンドルが傷んでしまったら、それが気になる方も多いと思います。今回は、自分でハンドルを補修しようとして失敗した事例と、プロによる補修の過程をご紹介します。
自分でハンドル補修を試みた結果
ハンドルの表面が剥げてしまったお客様は、通販で購入した革補修クリームを使って自分で補修を試みたそうです。この補修クリームは、チューブに入っていて、ペースト状のクリームを補修部分に塗って乾燥させるだけで簡単に修復できると謳われていました。
しかし、実際に使用してみると、上手く塗れずに表面がボコボコになったそうです。さらに塗った箇所の色味も違うので目立ってしまいます。このように、簡単そうに見えるDIY補修でも、実際にやるとけっこう難しかったりします。
(株)ダイ・ケンオートサービスによる補修の過程
そんなDIYに失敗したハンドルを綺麗にするために、弊社への補修のご依頼となりました。
このようにDIYに失敗したパーツの補修は、まずはDIYの修復から始まります。今回は塗られた塗膜などを剥がす作業です。当然ながらこの分の施工料が上乗せされます。
補修作業の流れは、大まかに以下のようになります。
- 塗膜の剥がし作業: まず、塗られた塗膜を剥がす作業から始めます。この分の施工料が上乗せされます
- 下処理: 革の表面を滑らかに整えるための下処理を行います
- クリーニングで汚れを除去
- パテ盛り
- 研磨
- 調色: 仕上げで使用する塗料の色を作ります
- 塗装: スプレーガンで塗装を施し、ハンドルの艶や質感を調整しながら仕上げます
これらの手順を時間をかけて丁寧に行うことが、綺麗な仕上がりにする最短距離です。
補修後の仕上がり
完全に新品同様とまではいきませんが、普通に見ただけでは補修した痕跡が分からない程度には仕上がりました。補修前のボコボコした表面は滑らかになり、色合いもハンドル全体と均一に整えられました。
お客様も仕上がりを見て非常に満足され、「まるで新品のようで、全く補修の跡がわからない」と喜んでくださいました。
まとめ
革製のハンドルは、使用しているうちにどうしても劣化してしまいます。自分で補修を試みることも一つの方法ですが、DIYには多くのリスクが伴います。今回の事例では、通販で購入した革補修クリームを使って自分で補修した結果、表面がボコボコになり、かえって状態が悪化してしまいました。
革製品の補修は、素材の特性を理解し、適切な手順を踏むことが求められる繊細な作業です。DIYでの挑戦も良いですが、失敗を避けたい場合や確実な仕上がりを求めるなら、プロに依頼することを強くお勧めします。