佐賀市の当店に、福岡県大牟田市からご相談をいただきました。合皮のダッシュボードにできた小さな傷は、他店では「交換しかない」と言われたそうです。今回はこの傷をリペアで直した実例を、費用と作業時間、そして仕上がりの写真とあわせてご紹介します。
福岡県大牟田市からのご相談内容
今回ご相談をいただいたのは、福岡県大牟田市にお住まいのお客様です。ダッシュボードにできた傷について他店に相談したところ、返ってきた答えは「ダッシュボードごと交換するしかない」というものでした。
納得のいかないお客様は、その後もインターネットで対応してくれる店を探し続けました。そしてたどり着いたのが、佐賀市にある当店です。きっかけを伺うと、ChatGPTに相談したところ当店の名前が挙がったとのことでした。
大牟田市から佐賀市まで、決して近い距離ではありません。それでも足を運んでくださったのは、他ではもう直せないとあきらめかけていた傷を、なんとか直したいという思いがあったからだと思います。
傷の状態―傘の先が刺さってできた小さな傷
傷の原因は、傘の先端がダッシュボードに当たってしまったことでした。できた傷そのものは決して大きなものではありません。表面に小さな凹凸ができ、その周りの合皮が少し盛り上がるような形で傷んでいました。
サイズだけを見れば、このくらいの傷は気にならないという方もいるかもしれません。それでも、大切に乗ってきた愛車に傷がついたことは、今回のお客様にとって大きなショックでした。小さな傷でも、一度気になり始めると気になって仕方がなくなる方は少なくありません。特に普段から丁寧に乗っている車であればなおさらです。
ダッシュボードは運転中に必ず目に入る場所です。傷の大きさとは関係なく、そこに気になるものがあるというだけで、車に乗るたびに視線が吸い寄せられてしまいます。

なぜ「交換」ではなく「リペア」で対応できたのか
他店で「交換しかない」と言われた背景には、理由があります。ダッシュボードのような内装のリペアは、外装の鈑金塗装とはまったく別の技術です。板金塗装を扱う工場は数多くありますが、合皮や革のリペアまで対応できる工場は、実はそれほど多くありません。
そのため、傷そのものが直せないというより、そもそも直せる技術を持った店に出会えていないというケースが少なくないのです。今回のお客様も、そうした事情でダッシュボードごとの交換を提案されたのだと思われます。
当店では鈑金塗装と内装リペアの両方を専門にしているため、こうしたご相談にも対応できます。傷の深さや範囲を確認したうえで、部分的なリペアで直せると判断しました。
こうした合皮ダッシュボードの突き傷や小さな凹みのご相談は、当店では決して珍しいものではありません。日常的にお受けしているご相談のひとつです。
リペア前にお伝えしたこと
リペアを始める前に、お客様にはっきりとお伝えしたことがあります。それは、完璧に元通りにはならないということです。
合皮のリペアは、傷を目立たなくすることはできても、傷がついた場所そのものを完全に消し去ることはできません。近づいてよく見れば、リペアした痕がわずかに残ります。この点は事前にきちんとお伝えしたうえで、作業を進めさせていただきました。
お客様は「リペアできる」と伝えた時点でとても喜んでくださいましたが、それと同時に、痕が残る可能性についても納得したうえで依頼を決めてくださいました。
施工後の状態―3方向からのビフォーアフター
今回の修復がどの程度のものだったのか、実際の写真でご確認いただければと思います。同じ箇所を、引きの距離感と近距離のアングルからそれぞれ撮影しました。
まず引きで見た状態




少し離れた距離から見ると、傷があった場所がどこだったのか、パッと見て分かる方はほとんどいないと思います。ダッシュボード全体の質感や色味にも違和感はありません。
次に近づいて見た状態


一方で、顔を近づけてじっくり見ると、話は変わります。傷があった場所には、リペアした痕がわずかに残っています。合皮特有の型押しの模様も、その部分だけ周囲とは少し違う表情になっています。これは冒頭でお伝えした通り、事前にお客様へご説明していた内容そのままの結果です。
「近くで見ても絶対に分からない」とまでは言えません。ただ、日常的にダッシュボードを近距離でじっと見つめる場面は多くありません。運転席から見る距離、乗り降りの際に目に入る距離であれば、傷があったことに気づく方はまずいないと思います。
費用と作業時間
今回のリペアにかかった費用と時間は以下の通りです。
- 費用:19,800円(税込)
- 作業時間:3時間
ダッシュボードの交換となると、部品代・工賃を含めて数十万円かかることも珍しくありません。今回のように傷の範囲が小さく、部分的なリペアで対応できる状態であれば、交換に比べて費用を大幅に抑えられるうえ、作業時間も1日で終わります。
なお、費用や作業時間は傷の状態によって変わります。同じような傷でお悩みの方は、まず写真を送っていただければ、状態を確認したうえでおおよその目安をお伝えすることができます。
お客様の反応
作業が完了し、お客様に車を引き取りに来ていただきました。仕上がりを確認していただいたときの第一声は、「全然分からなくなった」というものでした。
他店で「交換しかない」と言われていたこともあり、直せるとお伝えした時点ですでに喜んでいただいていましたが、実際の仕上がりを目にして、さらに安心していただけたようでした。
大牟田市から佐賀市まで足を運んでいただいた甲斐があったと、こちらとしても嬉しく思う瞬間でした。
同じような傷でお困りの方へ
ダッシュボードの傷は、他店で「交換しかない」と言われると、それ以上どうしようもないとあきらめてしまう方が多いのではないでしょうか。ですが今回の事例のように、傷の状態によっては部分的なリペアで対応できる場合があります。
市販の補修キットで自分で直そうと考える方もいらっしゃいますが、合皮の型押し模様や周囲の色味に合わせることは簡単ではなく、かえって傷や補修跡が目立ってしまうケースも少なくありません。特に目につきやすいダッシュボードは、慎重に判断されることをおすすめします。
「これくらいの傷でも直せるのか」「費用はどれくらいかかるのか」は、実際の傷の状態を見なければ正確にはお答えできません。まずはお写真をLINEまたはメールでお送りください。状態を確認したうえで、リペアが可能かどうか、費用の目安をお伝えします。
