ドア・フェンダーの傷やへこみ、修理費用はなぜ高い?プリウスの実例で解説

「ドアにできた傷を直したいだけなのに、なんでこんなに高いの?」

鈑金塗装のお見積りを見て、そう感じたことはありませんか?

理由はシンプルです。小さな傷であっても、そのパーツ全体を塗装する必要があるからです。ドアに小さな傷がついた場合でも、その修理ではドア一面すべてを塗装します。傷の部分だけをちょこっと塗るわけにはいかないんですね。

さらに、ドアとフェンダーにまたがるような傷になると、塗装するパネルの数が一気に増えます。当然、費用もそれに比例して高くなります。

この記事では、実際にお預かりしたプリウスの修理を例に、修理費用が高くなる仕組み各工程で何をやっているのかを解説します。

目次

ドア・フェンダーの傷が「パネル4枚分の修理」になる理由

今回ご依頼いただいたのは、トヨタプリウスの左側面の傷とへこみの修理です。

ドア・フェンダーの傷とへこみ
ドア・フェンダーの傷とへこみ

傷は左側面を横に走るように入っていて、修理が必要なパネルはフロントフェンダー、フロントドア、リアドア、リアフェンダーの計4パネル。傷の部分にはへこみもあるため、鈑金(形を戻す作業)も必要になります。

実は、こうした左側面の損傷はとても多いです。左折時は内輪差の感覚がつかみにくく、死角も多いため、左側のドアやフェンダーをぶつけてしまうのはあるあるですね(汗)。

そしてここがポイントなのですが、複数パネルにまたがる傷は、パネルの枚数分だけ塗装が必要になります。1パネルの修理で済む傷と4パネルの修理では、費用にかなりの差が出るということです。

交換ではなく鈑金修理を選ぶメリット

費用をできるだけ抑えたいとき、まず知っておいていただきたいのが交換と鈑金修理の費用差です。

鈑金修理で大幅に安くなるケース

特にフェンダーはその差が大きく出ます。ドアは比較的かんたんに取り外して交換できますが、フェンダー(特にリアフェンダー)はボディーと一体化しています。交換するとなるとボディーを切り取って新品を溶接する大掛かりな作業になり、工賃だけでもかなりの金額です。

過去の修理でも、他店で「交換しかできない」と言われたリアフェンダーのへこみを鈑金修理で対応し、交換費用の約3分の1で済んだケースがあります。ドアの修理でも、新品交換で20万円近くかかるものが鈑金修理で5万円程度になったこともありました。

逆に、交換のほうが安いケースもある

たとえばバンパーなどは、鈑金で手間をかけて直すよりも新品パーツに交換したほうが早くて安い場合があります。損傷の状態やパーツの種類によってまったく変わりますので、弊社ではケースバイケースで最適な方法をご提案しています。

鈑金では対応できないケースも正直にお伝えします

パネルが大きく折れ曲がっている場合などは、鈑金で戻すことが不可能なこともあります。以前お預かりしたステップワゴンのスライドドア・リアフェンダーの修理では、スライドドアが完全に折れてしまっていて交換するしかありませんでした。中古パーツも年式が新しすぎて見つからず、新品交換になりました。お客様のご要望にお応えしきれないケースです。

それでも、交換が必要な部分は交換し、鈑金で済む部分は鈑金で対応するというように修理方法を組み合わせたり、中古パーツを活用したりすることで、トータルの費用をできるだけ抑えるご提案をしています。

修理の流れ:鈑金→下処理→塗装→仕上げ(実例で解説)

ここからは、実際のプリウスの修理工程を順を追ってご紹介します。「見積り金額にはこれだけの作業が含まれているんだ」ということを知っていただけると思います。

①鈑金 ── へこみを引き出して形を戻す

鈑金、鈑金パテ処置

一般の方がこの写真を見ると「余計にひどくなってない!?」と思われるかもしれません。これは、へこんだ部分を裏側から叩いたり表側から引っ張ったりして、元の形に近づけた状態です。

鈑金では、鉄板を叩き出すと金属が伸びてぐにゃぐにゃになることがあるため、焼きを入れて固めるといった処置も行います。ここから表面を滑らかに整えていく作業に入ります。

②下処理 ── 仕上がりの8割が決まる最重要工程

下処理作業

パテを盛っては削り、サーフェイサー(下地用塗料)を塗ってはまた削る。この地道な作業を何度も繰り返して、表面を滑らかにしていきます。

実はこの下処理が鈑金塗装で最も時間がかかる工程です。仕上げの塗装自体は1日あれば終わりますが、ここまでの下処理には数日から、場合によっては数週間、数ヶ月かかることもあります。

少しでも歪みが残っていると、塗装後にその歪みがはっきり見えてしまいます。仕上がりの良し悪しはこの工程の丁寧さで決まると言っても過言ではありません。熟練の技術と、妥協しない姿勢が求められる工程です。

③塗装 ── パール・メタリックの色合わせに技術が問われる

ドア内側の塗装

今回のケースでは、ドアの内側にも損傷があったため、先に内側だけを塗装しました。

塗装直前

塗料がかかってはいけない部分をしっかりとマスキングし、塗料が密着するように塗装面に足付け(目の細かい耐水ペーパーをかける作業)を行います。写真を見ていただくとわかる通り、フロントフェンダーからリアフェンダーまで4パネル全体を塗装する準備が整っています。

最近の車はほとんどがパールやメタリック入りの塗料を使っていて、下手に塗るとムラが出やすくなっています。均一に美しく仕上げるには、高度な塗装技術が欠かせません。

塗装は室内の塗装ブースで行いますが、ブース内の照明だけでは判断できないこともあるため、屋外に出して日光の下で塗装面に異常がないかチェックします。問題があれば塗り直しをすることもあります。

④仕上げ塗装 ── 日光チェックと磨きで完成

修理完了

塗装後は十分に乾燥させてから、塗装面の肌(表面の質感)を整えるために磨きをかけます。この磨きによって、塗装面に美しいツヤが生まれ、既存の塗装面と違和感のない仕上がりになります。

まとめ:費用が高くなる理由と、抑えるためにできること

ドアやフェンダーの傷・へこみの修理費用が高くなるのは、小さな傷でもパネル一面を塗装する必要があり、複数パネルにまたがるとその枚数分の工程が発生するからです。さらに、仕上がりを左右する下処理には数日〜数週間かかることもあり、一つひとつの工程に手間と技術が求められます。

費用を抑えるためにできることは、修理のご要望を率直に伝えていただくことです。「とにかく安くしたい」「恥ずかしくない程度でいい」「仕上がり重視」など、ご希望によって鈑金・交換・中古パーツの組み合わせ方が変わり、費用も大きく変わります。

弊社ではお見積りは無料です。他店のお見積書をお持ちいただくのも大歓迎ですので、お気軽にご相談ください。

関連記事:

お気軽にご相談ください

0952-47-7033

営業時間9:00〜18:00 [ 日・祝日除く ]

メール・LINEは24時間受け付けています

ドア・フェンダーの傷とへこみ

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

SNSにシェア
目次