高速道路での出来事:飛来物によるドアの傷
高速道路を走っていたら何かが飛んできて、ドアに傷が付きました。修理をお願いします。
高速道路で飛来物という予想外の出来事に遭遇されたものの、幸いにも大事には至らなかったとのことで良かったです。
飛来物によるドアへのダメージ
まずは、その傷の状況を確認しましょう。
左フロントドアとリアドアに確認できる傷。さらに詳しく観察を行うと、傷だけではなくへこみも存在することが分かります。
この時点では分かりませんでしたが、後で見直すと、剥げた部分の下地の色がおかしいです…
ドア傷の修理:一般的なご要望とその課題
傷のところだけ修理してください。
お客様からのそんなご要望は多いものです。しかし、それは残念ながら難しいというのが実情です。
傷修理の課題:なぜパーツ全体の塗装が必要なのか
たとえ小さな傷であっても、パーツ一枚全体を塗装する必要があります。バンパーならバンパー全体です。今回の場合はフロントドアとリアドア、つまり2枚のドアの全面塗装が必要となります。
ボディー色によっては、フロントフェンダーやリアフェンダーでぼかし塗装をして、色の違いの違和感を無くす必要があったりもします。
傷修理の理由:動画での詳しい解説
この点については、以下の動画で詳しく解説しております。ぜひご覧ください。
動画で解説
調色作業の難題:全塗装された車との対峙
自動車のボディーカラーは、車体に取り付けられている金属板(コーションプレート)に記載されているカラーナンバー(カラーコード)で分かります。ボディーの塗料は、数種類から数十種類の色を混ぜて作り出されています。
コーションプレートは、多くの場合はドアの内側かボンネット内にあります。
色あせの問題:カラーナンバーだけでは足りない
しかし、車は年月が経つと色あせが起きます。そのため、カラーナンバーに記載された色だけで完全に一致するわけではありません。ここで、微妙な調色が求められます。カラーナンバーをベースに、違和感がないように微妙な調色を行うことで、自然な仕上がりを目指します。
予期せぬ課題:全塗装の影響
このお車ですとカラーナンバーは「1J6」ですね。‥ん!?えっ!?
1J6ってシルバー系だったはず!?
も、もしや‥
全塗装でシルバーからブラックへ色変えをされていました‥一般的に全塗装の場合は、モールで隠れる部分にマスキングテープを貼ることが多いので、モールを外すと全塗装されたのが分かったりします。
全塗装の特徴と調色の難易度
全塗装した鈑金塗装屋さんがどの黒で塗装をしたのかが分からないために、調色は非常に難易度が高い作業となります。黒と一言で言っても、たくさんの種類があり、多くの色が混ざっているからです。
最近では、「どの色がどの割合で入っているのか(配合)を計測する機械もありますが、100万円ほどしますので弊社では導入できていません‥
傷の修理:成功の報告
調色作業での苦戦も乗り越え、最終的に傷の修理が成功しました。鈑金塗装担当の長年の経験と技術で、調色問題もクリアできました。
自働車のボディーの修理のことは、お気軽にご相談ください。