お客様ハンドルの剥げに市販の補修クリームを塗ってみたら、かえって変になってしまった
こうしたご相談が、年に数件あります。通販サイトには「塗るだけで簡単補修」と書かれた商品が多く出回っていますが、革・合皮系のリペアはバッグや靴であっても、実際にはかなり難しい作業です。
均一に塗る技術と、ぴったりの色を作る調色の知識が必要で、道具さえあれば誰でもできるというものではありません。
この記事では、DIY補修で状態が悪化してしまった実例と、そこからプロが仕上げた過程をお見せします。DIYを検討中の方にも、すでに試してうまくいかなかった方にも、参考にしていただければと思います。
自分でハンドル補修を試みた結果




ハンドルの表面が剥がれてしまったお客様が、通販で購入した革補修クリームを使って自分で補修を試みたそうです。チューブに入ったペースト状のクリームを補修部分に塗り、乾燥させるだけで直ると謳われていました。
しかし、実際にやってみると表面がボコボコになってしまったとのことです。
なぜ市販の革補修クリームはハンドルに向かないのか
革・合皮系の補修は、素材の性質上、DIYでの仕上がりに限界があります。市販の革補修クリームを使うと、特に2つの問題が起きやすいです。
1. 塗膜が厚くなりすぎる
ハンドルの補修に必要な塗膜の厚みは、プロでも調整が難しい繊細な作業です。市販のクリームをスパチュラや指で塗っていくと、どうしても均一な薄さに仕上げることができず、塗った箇所だけ盛り上がってボコボコになってしまいます。
2. 色が合わない
市販のクリームには複数のカラーバリエーションがありますが、車のハンドルの色は車種・年式・使用状況によって微妙に異なります。プロは塗料を調色して一台ごとに色を作りますが、市販品では完全に色を合わせることはできません。補修箇所だけ色が浮いて、かえって目立つ結果になります
DIY補修後に持ち込まれた場合の施工について
すでにDIYを試みて状態が悪化してしまった場合でも、弊社では対応しています。
ただし、DIY後の修復は最初からプロに依頼した場合よりも工程が増えます。塗られた補修クリームの塗膜を剥がす作業が必要になるためです。その分、施工料金は通常より5,000〜10,000円ほど高くなります。
補修作業の流れは以下のとおりです。
- クリーニング:汚れを除去
- 塗膜の除去:DIYで塗られた補修材を剥がす作業(DIY後の場合のみ)
- 下処理:革の表面を整えるための処理
- パテ盛り:剥がれた箇所を埋めて平らにする
- 研磨:表面を滑らかに仕上げる
- 調色:ハンドルの色に合わせて塗料を一から作る
- 塗装:スプレーガンで塗装し、艶と質感を調整して仕上げる
これらの工程を一つひとつ丁寧に行うことが、きれいな仕上がりへの近道です。
補修後の仕上がり




完全に新品同様とまではいきませんが、普通に見ただけでは補修した跡が分からない程度には仕上がりました。補修前のボコボコした表面は滑らかになり、色合いもハンドル全体と均一に整えられました。
お客様も仕上がりを見て非常に満足され、「まるで新品のようで、全く補修の跡がわからない」と喜んでくださいました。
まとめ
革製のハンドルは、使用しているうちにどうしても劣化します。DIYを試みること自体は悪くないのですが、今回ご紹介したように、車のハンドルは市販の補修クリームだけで仕上げるには難しい素材です。失敗すると、最初から依頼していた場合より費用が上がることもあります。
「すでに試してしまったけれど、もっと悪くなってしまった」という場合でも対応できますので、まずはLINEで写真をお送りください。状態を見て、費用の概算をお伝えします。

