革シートは高級感のある素材ですが、時間の経過による劣化は避けられません。今回は、中古車販売店様から依頼を受けた、フォルクスワーゲンゴルフの革シートリペア事例をご紹介します。
依頼内容:全席の革シートリペア
中古車販売店様より、フォルクスワーゲンゴルフの革シートリペアのご相談をいただきました。現車を確認したところ、フロントシートからリアシートまで全席に革の劣化が見られました。中古車販売に向けて内装の状態改善が必要とのことで、全席のリペア作業をお引き受けしました。
特に運転席と助手席の座面では、長年の使用による擦れやひび割れが顕著でした。
作業の準備:シート取り外しの検討
全席のリペアとなると、シートを車に装着したままでは作業が大変なため、シートの取り外しについて販売店様とご相談しました。ただし、弊社では取り外し時の破損や傷のリスクを考慮し、シートの取り外し作業は行っておりません。
協議の結果、販売店様にシートを取り外していただき、お預かりして弊社工場での作業となりました。今回の車両は旧式の手動シートだったため、取り外しも容易でした。近年の電動シートでは取り外し後にリクライニング機能が使用できなくなる問題がありますが、今回はその心配がありませんでした。
取り外したシートは弊社の営業車にぴったりと収まり、無事に工場まで運搬することができました。
革シートの状態:経年劣化の実態
工場に持ち帰ったシートを詳細に点検した結果、劣化は運転席と助手席の座面に集中しており、特にひび割れが目立ちました。これは乗り降りの際に最も負担がかかる部分で一般的に見られる劣化パターンです。
リアシートは使用頻度が低いため、フロントシートほどの劣化は見られませんでした。しかし、経年による革の硬化は全席に共通して確認されました。シートを取り外して点検できたことにより、通常では確認が難しい部分の状態まで詳しく把握することができました。
リペアの工程:丁寧な仕上げへのこだわり
作業は大きく3つの工程で行いました。まず、シートの汚れを入念にクリーニングします。これにより状態を正確に把握でき、後工程での塗料の密着性も向上します。
次に、ひび割れ部分の下処理を行います。この工程は仕上がりを大きく左右するため、特に慎重に進めました。最後に、専用塗料を丁寧に調色し、仕上げ塗装を施します。革本来の質感と艶を再現するため、細心の注意を払いました。
作業工程全体で数日を要しました。作業の詳細は企業秘密ですが、長年培ってきた経験と専門技術、そして最適な材料を活用することで、革本来の風合いを損なうことなく修復を完了することができました。
リペア後の仕上がり:生まれ変わった革シート
特にひび割れが目立っていた運転席と助手席の座面は、見違えるような美しい仕上がりとなりました。
シートを取り外して作業を行ったことで、通常では手の届きにくい部分まで入念に仕上げることができました。革本来の質感と風合いを維持しながら、経年劣化による損傷を修復し、中古車としての商品価値が大きく高まったと思います。
まとめ:革シートリペアで車の価値を高める
今回のフォルクスワーゲンゴルフの革シートリペア事例では、経年劣化による革シートの損傷を、専門的な技術と経験を活かして見事に修復することができました。特に劣化が著しかった運転席と助手席の座面も見違えるような美しさに生まれ変わりました。
革シートは高級感のある素材ですが、時間とともに避けられない劣化が発生します。適切なリペア作業により、革本来の質感と風合いを取り戻し、車両の商品価値を大きく向上させることができます。お車の内装の印象を改善したい方は、ぜひ革シートリペアをご検討ください。