数年前から、一部のトヨタ車のハンドルの表面がひどく剥がれる事例が増えています。特にハリアー、プリウス、クラウンなどの人気車種で、この問題が頻繁に報告されています。
この記事では、トヨタ車のハンドル剥がれ問題について詳しく解説します。
トヨタ車のハンドル剥がれの一般的な特徴
トヨタ車のハンドル剥がれ問題は、特定の車種や型式で発生することが知られています。すべてのトヨタ車で起こるわけではありません。ここでは、この問題の一般的な特徴について説明します。
剥がれが起きやすい理由
- 材質の経年劣化
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ハンドルは、日々の使用環境により徐々に劣化していきます。特に紫外線や急激な温度変化に晒されることで、表面素材が脆くなっていきます。さらに、ドライバーの手に付いた化学物質、例えばハンドクリームや日焼け止め、そして日常的に触れる手汗なども、ハンドル表面の材質を徐々に劣化させる要因となります。これらの要素が複合的に作用し、時間とともにハンドルの表面強度を低下させていきます。
- 使用による摩耗
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ハンドルは車内で最も頻繁に触れる部分の一つです。日々の運転で繰り返し握ることによる摩擦は、表面を少しずつ摩耗させていきます。また、ドライバーの爪や指輪などの硬い物体が接触することで、微細な傷が蓄積されていきます。これらの小さな損傷が積み重なり、最終的にはハンドルの表面層が剥がれやすくなる原因となります。
- 接着力の低下
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ハンドルの表皮と下地を接着している接着剤は、時間が経つにつれて劣化します。さらに、車内の温度変化や湿度の変動によって接着部分にストレスがかかります。温度の上下で素材が収縮・膨張し、湿度の変化で接着剤の性質が変わることで、接着力が徐々に弱まります。その結果、表皮が下地から剥がれやすくなり、一度剥がれ始めると進行が早まります。
剥がれを予防するには?
ハンドルに傷を付けないことが最大の予防策です。また、ハンドルを片手の手のひらで擦るように回すのもやめた方が良いでしょう。
代表的な車種別のハンドル剥がれ
ここでは、当社で特に多くリペア依頼を受ける3つの代表的な車種について、過去の記事を紹介します。
ハリアーのハンドル剥がれ
ハリアーは高級SUVとして人気の車種ですが、一部の型式でハンドルの剥がれ問題が報告されています。
プリウスのハンドル剥がれ
エコカーの代表格であるプリウスも、特定の年式や型式でハンドルの剥がれが見られます。特に50系プリウスでは、表皮がシワのようになり、そこから剥がれが出てきます。
クラウンのハンドル剥がれ
高級セダンのクラウンでも、210系の型式でハンドルの剥がれ問題が報告されています。
ダイ・ケンオートサービスのハンドルリペアについて
ハンドルリペアの手順
作業工程を簡単に説明しますと、剥がれた部分にパテを入れて滑らかにし、専用の塗料で塗装をして仕上げます。元々あるハンドルのシボ模様は完全には再現できません。しかしなるべく違和感が出ないように模様を作ります。
ハンドルリペア後の強度
元々のハンドル自体の強度が弱いために、リペア後も剥がれやすいことに変わりありません。ですのでリペア後も、できるだけ傷を付けないように気をつけていただく必要があります。
ハンドルリペアの料金と時間
ハンドルリペアの料金は、傷みの程度で変わります。おおよそ20,000円〜30,000円ほどになります。時間は丸一日ほどになりますので、朝にお車をお預かりして、夕方までにリペア作業が終わるという流れです。リペア後はすぐに乗っていただく事ができます。
個人で対処する方法
トヨタ車のハンドル剥がれ問題に直面した際、個人で対処できる方法がいくつかありますが、それぞれに注意点があります。ここでは、主に2つの方法について詳しく解説します。
ハンドルカバーを付ける
ハンドルカバーの使用は、剥がれを隠すための即効性のある対策に思えますが、実際にはお勧めできません。
デメリット
- 根本的な解決にならない
- ハンドルの感触や握り心地が変わり、運転操作に影響を与える可能性がある
- ハンドルカバーを外した際に、剥がれが悪化している可能性が高い
弊社の過去の経験から、ハンドルカバーの使用がかえって問題を悪化させる可能性が高いことが分かっています。
DIYでリペアする
市販されているアドカラーや革補修クリームなどの補修剤を使って、DIYでのハンドルリペアができます。
しかし技術的に難しく、失敗のリスクも高い方法です。
デメリット
- 滑らかにするのが難しくボコボコの仕上がりになりやすい
- 色が合わないので補修箇所の違和感が出やすい
- DIYに失敗した後にリペア業者に依頼すると、施工料金が高くなる
新品に買い替える
予算に余裕がある方は、新品のハンドルに買い替えるのも良いと思います。ディーラーさんに行けば、お見積もりや取り替え作業もやってもらえます。
まとめ
個人での対処方法には、即効性や低コストといったメリットがある一方で、根本的な解決にはならない、あるいは状態を悪化させるリスクが高いというデメリットがあります。
トヨタ車のハンドル剥がれは、主に見た目の問題で安全性には影響がありません。しかし、運転時には必ず目に入りますし触れる部分です。ボロボロのハンドルを見るのは気持ち的に嫌になる人も多いと思います。
ダイ・ケンオートサービスでは、ハンドルのリペアをお受けしています。正確な数は覚えていませんが、これまでに数百本のハンドルをリペアした実績があります。
ハンドルの状態でご不安な点がありましたら、お気軽にご相談ください。写真でのお見積りも可能です。